理由も解らないまま、泣き出した。
不安定な自己の確定を目指して。
行く先は、希望。
一寸先は、闇。
其れでも、はやく君に逢いたくて。
僕等も持っていたはずの白い翼を広げた。
はやく はやく、はやく
恋焦がれる焦燥感に急かされる。
だっていつか来る未来は希望に満ち溢れてるんだって。
だから今を頑張らなきゃいけないんだって。
僕等は真新しい太陽に向かって、溶けかかる羽を羽ばたかせた。
ねぇ、僕ももうすぐ そこに行けるかな?
大丈夫、と僕に言い聞かせ
暗示をかけて、また立ち上がる。
それでも。
無意味な僕は消えていくこともなく、
いらない鬱を呼び起こす。
いらない いらない 欲しくない。
僕が欲しいのはいつだって手に入らない。
僕が欲しいのは、ただ一つなのに。
ああ、神様。どうかこの手に愛を。
哀はもう飽きてしまったんだ。
包み込んでくれる優しさを知ってしまった僕は、それが欲しくて仕方がないんだ
。
嫌、嫌、嫌。
大人しか知らない世界なんて嫌。
ぼくはしりたくなんかなかったんだ。
母さんを返して。
乙姫を返して。
僕を、返して。
ねぇ、一体誰に言えばいい?
帰ってくるのは結局弾かれた空気だけだと知ってるから。
君の全てを僕に頂戴
一つになろう?
最初からどこにもいない僕だから、せめてお前と一つになれる場所に還りたい。
ああ、何もない僕だから、お前が欲しいのかな。
『あなたは そこにいますか?』
≪ 還りたい場所があるんだ
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