絶望の手掛かりさえも見つけ出すことが出来る。
日の光がとても眩しいよく晴れた日
隣にはいつもと変わらない君がいる
それだけで、なんて幸せなことだろうか
ふと視線を君に移せば、少したって 気付いたきみが微笑んでくれる
つられて僕も、笑い出す
屋上で目を瞑った
心地善い日差しが僕を照らす
少し目を開けば、昔のままの君が見える
逢えた歓びに顔を綻ばせば 同じように君も笑ってくれて
長い間逢えなかった空白が嘘みたいに埋まっていく
相変わらずの優しい笑顔で君が僕に手を差し伸ばすから
その手にどうしても触れて欲しくて
その手にどうしても撫でて欲しくて
少しだけ、身を乗り出した
そうして漸く触れられた手は相変わらずの優しい手付きで
僕の頬に温もりと安らぎをくれた
あまりの心地よさにまた、目を瞑る
満たされていく感覚
泣きそうになるのを耐えながらその感触に酔い痴れていると
触れるか触れないかの、空気の様な軽い接吻け
ゆっくり瞳を開ければ
君はまだそこにいてくれて
もっと近くに行きたいから
もう傍を離れたくないから
フェンスに手をかけ
君を見上げる
両手を広げてくれる君に早く飛び込みたくて
フェンスから手を離した
そのまま堕ちていく自分を想い描いていたら
君が抱きとめてくれて
それだけで、また笑顔になれる
一緒に堕ちてくれてありがとう
止まった時間を動かしてくれてありがとう
迎えに来てくれて、ありがとう
どこまでもどこまでも君は優しいから
僕はまた甘えてしまうかもしれない
でも
いつになっても何処に居ても君を好きなことに変わりは無いから
また傍にいさせてね
嗚呼、もうすぐ終わる
僕が
僕の肉塊が
今更想うことでもないけど、自分でも驚く程落ち着いていて
普通感じるであろう恐怖感は微塵も無く
堕ちていく自分に少しも恥じらいは無く
敗北感なんて殊更皆無
もしかしたらこんな穏やかな感情は初めてで
もうすぐ終わるボクに別れを告げる
バイバイ、「僕」
今まで色々ありがとう
生かしてくれていて、ありがとう
彼に逢わせてくれてありがとう
でももう最期だね
僕を包んでいてくれたもの全てににありがとう
ありがとうの次は、さようなら
そして、コンニチワ
新しい 君と僕
≪ 久しぶりの君は、やっぱり暖かくて。